スコトーマという言葉を聞いたことがありますか?
自己啓発やコーチングに興味のある方にとっては基本的な内容かもしれませんが、
認知のことを正しく理解するためには「スコトーマってあるの?ないの?」といった曖昧な印象ではなく「ある」と言い切れる感覚が大切かと思っています。
というわけで、
今回は「スコトーマ」について少しまとめてみました。
内容
スコトーマってなに?
スコトーマとは「心理的盲点」のことを指します。
眼球の仕組みとして見えなくなってしまう「盲点」・・のことではなく、
心理的に認識できなくなってしまう「心理的盲点」のことを指しています。
視界には入ってるのに見えていない・・
そんな状態のことです。
- 重要視していないもの(対象)
- 知識にないもの(対象)
- 精神的に余裕のない状態(状況)
- 無意識が拒否している状態(見たくない状況)
スコトーマを実感するには
いろいろな言い方で説明できるかと思いますが、
日々の生活の中からちょっとした変化に気づけた方が楽しめるかと思いますので
日常生活の変化などに例えて説明してみます。
人間には重要性を決めてしまうクセがあります。
1人1人の中にある重要性は必ずしも一致せず
「スマートフォンよりもパソコンの方が大切」
と思う人もいれば逆の人もいますし、どちらか決められない人もいると思います。
重要性評価関数が高いものほど、視界に入ったときによく見える(認識できる)ようになっています。
反対に重要性評価関数が低く、視界に入っているにも関わらず見えていない(認識できていない)現象のことをスコトーマと呼んでいます。
- 奥さんが妊娠したため、街中に妊婦がいることに気がつく
- 買う予定の車種が、街中で走っていることに気がつく
- 好きになった作家の本を、電車内で読んでいる人に気がつく
このようなものが、
スコトーマに隠れて見えていなかった(認識できていなかった)ものが、見える(認識できる)ようになる、ということになります。

目に映っている情報は、無意識の重要性に支配されている。ということになりますね。
人は知識のあるものしか見えていません。
こう言ってしまうと、
「いやいや、知ってようが知らなかろうが目の前にあるものは見えてる」
そう聞こえてきそうですね。
ちょっとした質問をしてみます。
あなたとは違う仕事や趣味を持つ、友人や家族と街中を歩いているときに、
自分とは違う視点で物事を見ている隣人に気がついたことはありませんでしょうか?
- 自転車が趣味であれば「あの人ブレーキ付けてない、あれ捕まるんだよ」とか…
- 楽器が好きな人なら「Gibson じゃん」とか…
- 美容師なら持っているバッグを見ただけで「美容学生だね」… ナドナド
その知識がなければ目に入ることさえなかったものが、
知識があることにより目に入りスコトーマによって情報を落とされなくなることがよくあります。

ギターの Gibson を知らないのに楽器屋のガラスケース内に置かれている Gobson が見える人はそうそういませんよね。
知識があるものは、情報量が落とされにくくなる。ということになります。
前述した2つの「見えない」は見えなくなる対象を指しました。
残り2つは「見えなくなってしまう状態や状況」について解説します。
情動が優位な状態になるとスコトーマの範囲は広く(大きく)なることがほとんどです。
以下のような経験は誰にでも1度くらいは経験があるのではないでしょうか。
スマートフォンが見当たらず「ない!ない!」と焦るも見つからない
さっき置いたはずのデスクに見当たらないためどんどん気持ちは焦ってしまう。
無情にも約束の時間を、1分…2分…と過ぎてしまう。
しかし約束の時間を3分程経過してしまったため
少し諦めの気持ちが生まれ、心が落ち着きを取り戻す。
一度トイレに行きハンドソープで手を洗い、すっきりした気持ちでデスクに戻ってみるとスマートフォンが目に入る。
とてもホッとした気持ちになりながらも「絶対さっき見たけど…」と思う。
約束から5分遅れてしまったが連絡でき、何とかことなきを得ることができた。
このような経験も、「ない!」という情動が優位になっている状態なので、
スコトーマに隠れて見えなくなってしまったと言えます。

このような「ない!」という情動が優位になっている状態も、
スコトーマに隠れて見えなくなってしまったと言えます。
want to (~したい)
have to (~しなければならない)
このような言葉を聞いたことがありますでしょうか。
自己啓発やビジネスマインド系の情報でよく使われている言葉ですよね。
お聞きしたことある方がほとんどだと思います。
want to (~したい) という気持ちで取り組めているとスコトーマが働きにくく
have to (~しなければならない) という気持ちにならざるを得ない作業となるとスコトーマが働きやすくなる。と言えます。

want to 、have to は無意識の影響を大きく受けているため、
have to の気持ちがだめなんだ… と捉えないで下さい。
want to の基準になる『他人に止められてもやりたいこと』を
自分の時間すべてに当てはめたものを Goal にしていきましょう。
心理的盲点(スコトーマ)について少しまとめてみました。
とても大切なことは、スコトーマによって情報量が落とされている。
という意識で日常を過ごしてみることだと思います。
そうすると、自分の無意識の癖が見えてきて
「僕はこの情報に目が行きがちだな。自分の意見に似てるからかな?」
「私はあっち側の意見が見えてなかったな」
ナドナド
新しい発見がたくさんあると思います。